Bloodborne考察(想見者うー)

Bloodborneの考察(ブラッドボーン/ブラボ)

ブラッドボーンストーリー考察

ブラッドボーンストーリー考察


当考察はこれが正解だと断定しないものとする、劇中に散らばるテキストや描写やオブジェクトを広い集め妥当的な見解を不自然なくつなぎ合わせた拡大解釈をさらにつなぎ合わせストーリー形式で綴ったものである。

当考察では詳細な説明を割愛する、細部の考察は別記事で完了している為そちらを参照。


妥当性を判断する際に必ず恣意的なバイアスが掛かっている為、得体は知れぬものとする。


ブラッドボーンストーリー考察


▲:参照や引用したテキストと台詞

●:補説


〜ビルゲンワース編〜


★血の発見・漁村蹂躙


ビルゲンワースは史学と考古学の学び舎である。彼らは遺跡の研究をしていたがある時、ビルゲンワースのカレルが遺跡で「血の発見」をした。この血はビルゲンワースに持ち帰られ「禁断の血」と呼ばれる様になる


▲(引用):「獣」のカレル、アルフレート台詞

●(補説):遺跡=漁村のこと、この遺跡は地下遺跡と区別されている


★獣の発見・漁村蹂躙


カレルは遺跡(漁村)で禁断の血の発見と同時に右左回りの変態(獣化)をした「遺跡の獣(ゴースの赤子)」と遭遇した。即ち禁断の血の発見とは望まれぬ獣の発見でもあり、この血により獣の病が蔓延してしまったのだ


▲(引用):「獣」のカレル文字、「右左回りの変態」

●:補説

DLC漁村の悪夢は、筆記者カレル(ゲールマン)の血の発見の追憶

②禁断の血は老いた赤子が手に持っているピンク色の肉塊


★狩人と狩人の夢の始まり


カレルは持ち帰った禁断の血からへその緒と星に由来する隕鉄を取り出した。この隕鉄は後の葬送の刃となり彼の狩道具となった。

また、禁断の血から取り出したへその緒は「青ざめた月」と邂逅することとなった。そして狩人と狩人の夢が始まったのだ。


▲:古工房のへその緒、葬送の刃


★血族と女王アンナリーゼの誕生


血により獣と化し、人を超え人を失う血は禁断の血と呼ばれる様になり、ビルゲンワースの裏切り者がカインハーストに禁断の血を持ち帰った。そして女王アンナリーゼと穢れた血族が生まれたのだ


▲:アルフレート台詞、ウィレーム台詞


★ロマの誕生、ゲールマンの死亡


漁村から禁断の血を持ち帰ってから40〜60年(推定)が経ち、その長きに渡りゲールマンや古狩人達は獣狩りの夜の度に獣を狩り、弔い続けてきた。その獣から得られる血を、血の遺志を継承し続けながら…

また、そんな古狩人達の中からはゲールマンを慕い、師事する者達が現れてきた。女王の傍系である幼きマリアもまたその内の1人となった。マリアはアンナリーゼの孫にあたる子孫(傍系)である、カインハーストの控え室の壁には金髪の赤子を抱えている肖像画が飾られている。

ゲールマンや古狩人達(夢の狩人達)が獣狩りの夜によって継承し続けてきたこの赤き血は上位者の智慧が滲むものとされ、上位者へと近付いていくものだ。

ゲールマンは幾度となく繰り返される獣狩りの夜の夜明けに行われる介錯(血の遺志の継承)により、血の遺志に滲む上位者の智慧はやがて瞳へと変わる。即ち"上位者白痴のロマ"はこの時生まれたのだ。

しかし、ゲールマンは自らの脳裏に刻んだ「狩人の徴」により、血の遺志を忘却(秘匿)し、狩人の夢をやり直し、ゲールマンの魂(精神体)は忌々しい狩人の夢に囚われたのだ。友ローレンスとの約束(交信)を待ち続けながら…全ての出来事がまるで悪夢であったかの様に。

ロマが秘匿していた儀式とは獣狩りの夜の度に選抜された夢の狩人の血の遺志を介錯し続けて集まっていった宇宙悪夢的な血の遺志、青ざめた血である。

ゲールマンの肉体(ロマ)はローレンスらによって保護され、狩人の夢に囚われた彼の精神を解放する為に、ローレンスはビルゲンワースを離反し、彼を治療する為の"医療教会"を立ち上げる事となる。


▲:レイテルパラッシュ、マリアの狩り装束、古い狩人の遺骨、「継承」、血の穢れ、上位者の叡智、眷属の死血、ミコラーシュ台詞、狩人の徴、ローレンスの頭蓋、ゲールマン台詞、オドン教会のメモ、嘆きの祭壇、「月」

●:補説

①マリアが生まれたのはこの時期なので漁村蹂躙時にはまだ生まれてもいない、何故なら漁村で禁断の血を発見し、その血によりアンナリーゼが生まれ、更にその傍系(孫)がマリアなので漁村襲撃時にはまだ生まれても居ないことになる。ここら辺の世代考察からおよそゲールマンと古狩人達が活動していた年月を割り出せる→4〜60年

②青ざめた血は血の遺志のこと

③カレル=ゲールマンの名前、上位者化したゲールマンの肉体=嘆きの祭壇にあるロマの死体


〜ビルゲンワース離反後、医療教会発足・前編〜


★処刑隊と血族狩り


ローレンスは友ゲールマンを、狩人の夢から解放するという約束を果たす為に「星界への交信」を試みる。即ち星界とは狩人の夢がある場所を指している。そして後のローレンスの実験(交信)の後継者である聖歌隊は、宇宙は空にある。と気付いたのだ。つまり狩人の夢とはまさに我々のすぐ頭上、空(天)にある事となる。なればこそロマの秘匿していた…ゲールマンが忘却していた青ざめた血は空に漂っていたのだ。


『見たまえ!青ざめた血の空だ!』


交信は実験棟でロマ(ゲールマンの死体)の死血を拝領する事により行われた。被験者は穢れた血族の孤児達である。

上位者の血である禁断の血に近しい血を持つアンナリーゼの子供(穢れた血族)達に血の遺志を集めれば集める程、輸血すればする程上位者(ロマ=瞳を持つ者)へと近付くからだ。

そしてその場所である孤児院は学習と実験の舞台となってしまう…このことから「拝領(輸血)」が医療者と医療教会の象徴となったのだ。ちょうど実験棟の真下にはロマの死体が落下している。これは時計塔に埋葬されていたゲールマンの死体が星の小爆発(失敗作)によって崩壊した時によるものだろう。嘆きの祭壇のエリアで建造物の崩落跡が確認出来るのはその時のものだろう。


また、孤児達(血族の戦争孤児)は後の医療教会の密かな頭脳となり、聖歌隊を結成する事となる。

禁断の血は獣の病蔓延の原因となる事を知るローゲリウスはローレンス達の実験が…血の医療が繰り返され続ける事で、やがてこの街は獣により滅びてしまう事を悟り、処刑隊を率いて血族の長、アンナリーゼをカインハースト城に封印してしまった。故にローゲリウスは「血の救い(獣の病蔓延)の重石」となり、殉教したのだ。

ローゲリウスは一族を潰し、血の救い(呪い=獣の病)から世界を救った事となる。正義か悪か、愚者か賢者であるか、ただ我々だけは善くあるべきなのだ、車輪は…正しい運命なのである。


▲:ローレンスの頭蓋、彼方への呼びかけ、孤児院の鍵、「拝領」、実験棟オブジェクト、偽フカの装備と行動(彼方への呼びかけ、感覚麻痺の霧)、カインの流血鴉の装備と行動(カインの鎧、血の歓び、鴉羽のマント、教会の連装銃、古い狩人の遺骨)、一連のアリアンナイベント(へその緒、アリアンナの血、アリアンナのドレス)、医療教会上層の星の子の配置、一連のアデラインイベント(アデラインの血、台詞、アデラインの脳液)、アデーラの血、アルフレート台詞、車輪の狩人証、処刑隊装束

●補説

聖歌隊(実験棟の患者達)は処刑隊の血族狩りによって滅ぼされた血族の孤児達の可能性が極めて高いとされる


★墓暴きの時代と血の救いの源ヤーナム


ローゲリウスがアンナリーゼを封印し、血族を浄化してしまった事でローレンスは最悪の状態に陥った。ゲールマンを助ける為の血が、失われてしまったのだ。「禁断の血」はカインハーストに盗まれ、「穢れた血」へと薄まり、更に穢れた血までもがローゲリウスの封印により失われてしまったのだ。これらに代わる「血の源」が彼等には必要となった。そんな血の源を彼らは「地下遺跡」に求める事となる。何故ならかつてカレル(ゲールマン)が「禁断の血の発見」をした場所は漁村の悪夢であり、それは現在、ビルゲンワース時代の"史学と考古学の研究"により地下に埋もれている事が示唆されていたからだ。遺跡とは漁村の事であり、それは現在地下にあるので"地下遺跡"という事になる。


ミコラーシュ『ああ…ゴース、あるいはゴスム、我らの祈りが聞こえぬか、"泥に浸かり最早、見えぬ湖"』


ゴースの死体(禁断の血)が眠る漁村(湖)の探求、神(ゴース)の墓を暴く、墓暴きの時代がやってくる。

しかし彼等は結局、漁村…"遺跡の秘部"に到達する事は叶わなかった。大聖杯は遺跡の秘部に通じるものだ。遺跡の秘部に辿り着く事は出来なかったが、そこ大聖杯トゥメル=イルの最奥には、神の眠りを祀るトゥメルの末裔達と「血の女王ヤーナム」がいたのだ…漁村にあるとされる禁断の血までは到達出来なかったが、まさしくローレンスが探していた血の源が祀られていたのである。それを地上へ持ち帰り、医療教会と医療教会の血の救いが始まったのだ。


▲:アルフレート台詞、エーブリエタースの先触れ、ギルバート台詞、ゲールマン台詞、講義室の鍵、ミコラーシュ台詞、「湖」、トゥメルの聖杯、大聖杯、トロフィーヤーナムの女王

●:補説

①漁村のパラフレーズ(メタファー)

・漁村=遺跡

・湖(神秘の前触れ)

・ビルゲンワースが見えた神秘は漁村、つまり漁村=湖

・泥に浸かる湖→つまり遺跡は地下にある

・地下遺跡で到達出来たのは大聖杯まで、大聖杯は秘部に繋がる

・秘部=恥

・恥=漁村のゴースが眠る場所

昏いシモンの言うマリアが隠している「恥(秘部)」とは漁村のことを指している

・マリアの秘匿するそのものは漁村に眠る「禁断の血」の秘匿であり、血の救いの重石となりアンナリーゼを封印したローゲリウスや、同じく地下遺跡で血の女王ヤーナムを封印(神の眠りを祀る)していたトゥメルの末裔の思索と同じ事となる。つまり獣の病を蔓延させまいとする一派である。

この世界には血(神の血)に対する思索が2つ存在する。

神の血を「祀る(使わない)側」と「冒涜する(使う)側」である。

冒涜すると勿論呪い(獣の病)が蔓延してしまう、祀り続けるといずれ血は薄まり灰血病を引き起こす。トドのつまりどっちに転んでも救いがないことが分かる。


〜医療教会発足・後編〜


★血の医療の始まりと獣の病の蔓延


ローレンスらは地下遺跡から女王ヤーナムを連れ帰り、その聖体は医療教会の血の救いの源となった。獣の病が蔓延し、棄てられ焼かれた廃墟、「旧市街」では、かつて奇怪な病、灰血病が蔓延していた。そしてその病を治すべく行われた治療がまさしく血の医療、すなわち聖杯から持ち帰られたヤーナムの血の輸血だったのだ。

灰血病は神の血である赤き血液が足らなくなった者に発症する病だ。血が足りなければ「輸血」すればいい、至極当然のことである。だがそれは同時に、神の怒りに触れる事となり、獣の病蔓延の引き金となってしまう。血を輸血された患者達からは獣が生まれ、獣を狩る事で新たな血の遺志、即ち青ざめた血を集める事が出来るようになる。


『教会の狩りは、一種の医療行為であり、直接触れ、(血の遺志を)取り出すことこそが重要なのだ』


獣の病蔓延は、医療教会が上位者へと近付く為の瞳を、ローレンスにとってはロマに近付く為の血の遺志を手に入れる筋書き(一種の医療行為)だったのだ。

ローレンスは世界よりもただ1人の友を救う為の誓いを選んだこととなる。そんなローレンスが選択した惨劇を目の当たりにし遂に心が折れてしまった1人の女が居た…「時計塔のマリア」だ。


▲:デュラ台詞、ゲールマン台詞、アルフレート台詞、ヤーナム市街メモ、白い丸薬、病める&深きローランの聖杯、「穢れ」、冒涜の聖杯、医療者の長手袋、落葉

●補説

①血の遺志(神の血)を一杯集めると瞳が手に入るよ!言い換えれば瞳を得たロマに近付くよ!ローレンスと医療教会はどっちにしろ目的は同じなので医療教会全ての者達がゲールマンを救いたいと言う訳ではない。ゲールマンの為に動いていたのはローレンスとマリア位だろう、そしてマリアはその凄惨な実験に遂に心が折れてしまった。

②血の女王ヤーナムは神の血を宿す「器」である。故にヤーナムの血を拝領する事は神(ゴース)の怒りに触れる事となる。もっと噛み砕くと冒涜の根源はヤーナムではなくゴースの方、アンナリーゼも同じ原理で禁断の血を宿し血の女王となり、禁断の血は"穢れた血"となった。要約すると

・青ざめた血(ゴースの血)→禁断の血(ゴースの遺子)→穢れた血(アンナリーゼ&ヤーナム)→古い血(現ヤーナム)→灰血病(血のなき者)

※思考の次元を上げる事によって自ら血(智)を生み出せる異例も存在する、ウィレームとエーブリエタースである。

・神の血は拝領する度に穢れて(薄まって)しまい最終的には灰血病を患ってしまう。そして灰血病を治す為にまた神の血を輸血する羽目になる。

このブラッドボーンの世界はどう足掻いても血によって呪われる縮図となっている。


★ゲールマンとの別れ


時計塔のマリアは"ただ心が弱き故"に実験棟で繰り返される凄惨な血の医療の被験者である孤児達から目を背ける事が出来なかった。実験を統括するのはローレンスである。ローレンスは神の墓を暴き、持ち出した血の女王ヤーナムの血によりまた血の医療を繰り返すだろう。そんな事はもうさせない、そんな悲劇はもう許さない。マリアは自らの血を、炎を纏う程に熱い穢れた血を、ローレンスへ供する事を決めた。毒の滲む燃える血を…ローレンスを殺せばそれは同時にゲールマンの死が確定的なものとなってしまう。悪夢に精神が囚われたゲールマンはもう二度と戻ってはこない。ローレンスもまた苦しみ燃え溶けてしまうだろう。しかしマリアは人道主義を掲げる事にしたのだ。子供も獣もこれ以上犠牲にはさせないと誓う。例え自らが嫌った血刃に頼る事になってしまったとしてもだ。

彼女はかつて焦がれた師とその狩りの思い出(落葉)を暗い井戸に捨て、自らの血に依りローレンスの毒殺を試みたのだ。

そして遂にウィレームの警句を忘れ、血を恐れず血に酔いすぎたローレンスは初めての聖職者の獣となってしまう。

ヤーナムに顕現した超巨大な恐ろしい獣、聖職者の獣。その獣を狩る為に様々な工房が結束し医療教会が興った。教会の狩人が英雄と言われた時代の始まりである。


▲:落葉、マリアの狩装束、実験棟患者の台詞、ローレンス戦歌詞、時計塔のマリアが座っているテーブルの上にある杯、燃えるローレンス、ゲールマン台詞、ウィレームの警句、アイリーンの台詞、輝く剣の狩人証、ルドウイークの聖剣&長銃、宮崎インタビュー解答

●補説

宮崎インタビュー解答よりローレンスの頭蓋が医療教会の始まりとなった。正式に表立った組織として発足したということだろう。


★古狩人の消失


老ゲールマンの死亡(ゲールマンの肉体的な死、即ち魂が狩人の夢に囚われた事を指す)により代々夢の狩人達によって死者を弔う為の祭礼の儀(獣狩りの夜)は途絶え、獣狩り(祭り)は獣狩り(狩猟)へと流れが変わってしまう。

そして彼ら(古狩人)はある時を境に姿を消してしまったと言う。ゲールマンの狩り(葬送)を忘れた狩人達は血に酔い、獣を追い、皆悪夢に去っていったのだと。それは狩人の罪であったのだ。

▲:古狩人の装束、葬送の刃


★教会の狩人ルドウイークの台頭


ローレンスの獣化と並びに古狩人達の消失により獣を狩る者が皆次々と狩人の悪夢へと消えてしまった。そして目の前に立ちはだかるは人類が初めて見えた強大な恐ろしい獣、即ち聖職者の獣である。

この状況下で夢の狩人達に代わって老ゲールマンとは別の流れを生み出し、教会独自で獣を狩る組織を立ち上げたのが英雄ルドウイークである。またこれらの獣を狩る名目で様々な工房が統括された。その様は昏いヤーナム民にとっては輝かしい英雄に見えたのであろう。

これを機に医療教会の血に関する知識の独占が始まったのだ。


▲:ローレンスの頭蓋、ルドウイークの聖剣、輝く剣の狩人証、ギルバート台詞


★医療教会が2つの上位会派に分派


血に関する独占とヤーナム民から絶大な信頼と支持を得ていた医療教会は遂に惨劇を迎えてしまうこととなる。それは教会が発足してからどれくらいの時が流れた時期であろうか…聖歌隊(孤児達)が医療教会の密かな頭脳となり地下遺跡のイズから大聖杯を持ち帰りエーブリエタースに見えた時期だろうか、旧市街で獣の病が蔓延してしまったのだ、医療教会が血の救いという名目で施術してきた血の医療が呼び水となって。


●:補説

聖歌隊と思われる偽ヨセフカから推測すると狩人が英雄たりえた時代からおよそ2〜30年の時が流れている

▲:イズの大聖杯、白い丸薬、深きローランの聖杯、彼方への呼びかけ、孤児院の鍵


★旧市街の悲劇


旧市街では灰血病という血の濃度が薄まる病気が流行っていた、これを治療する為に医療教会は地下遺跡から持ち帰った「聖体ヤーナム」の神の血(青ざめた血)を市民に輸血した。この事によって灰血病は治ったが神に呪われてしまった、神の呪いとは獣の病の事である。

輸血という一種の医療行為が古都ローランと同じく獣の病の呼び水となり、旧市街は獣によって滅びの道を迎えてしまう。それに対応するべく医療教会は旧市街に煤けた狩人を送り込み獣の病の酷い蔓延と街を焼く浄化の悲劇が起こった、旧市街の封鎖だ。


▲:旧市街メモ、アルフレート台詞、ヤマムラ台詞、漁村民台詞、煤けた狩人の装束、ヤーナム街メモ、白い丸薬


★悲劇の終幕


この旧市街には青ざめた血の濃度がより濃く充満してしまっていた。これが要因となって赤い月(青ざめた血)が近づいてきていた。赤い月により旧市街は人と獣の境が曖昧になり獣が大量発生した。

しかし、本編では赤い月は秘匿されていた…「ビルゲンワースの蜘蛛、白痴のロマ」によって。同じく「ビルゲンワースの学長ウィレーム」は"ある時"月前の湖にある「秘密」を隠したと言う。

この湖に存在するのは「聖体ヤーナム」と「赤い月(青ざめた血)」である。これらを秘匿する為に秘匿の能力を持つロマのいる湖へとそれらを放り込んだのだ。

この"ある時"というのが即ち旧市街の"悲劇の終幕"となる。しかし耄碌としたウィレームには最早そんな事を成す活力はなく、必ずどこかに学長を支持する学徒が居たはずだ、これが聖歌隊、ビルゲンワース最後の学徒ゆりえとなる。

学長ウィレームは最初からこの悲劇を予見していたのだ。血を恐れなさい、血に頼っては駄目だ、それは人を失ってしまうのだと。


学長ウィレームの言『我ら血によって生まれ、人となり、また"人を失う" "知らぬ者"よ。かねて血を恐れたまえ』


全ての学徒に裏切られ、そしてその行く末を暗示し、その学徒達がしでかした尻拭いを粛然と行ったのだ。これにより悲劇は終幕となる。


▲:旧市街メモ、オドン教会メモ、月見台の鍵、ロマ撃破後ムービー、ウィレーム台詞、アルフレート台詞


〜本編〜


★メンシス学派の儀式


医療教会の上位会派の一派であるメンシス学派は"獣の業"を欲した、忌々しい不死の黒獣、獣を克服すればより上位の存在へと進化することが出来るからだ、今一度旧市街の惨劇を繰り返そうとする為、赤い月を呼び獣を蔓延らせる為にヤーナムの民達を攫い、血を一点に集め再誕者を創造した。自らの思考を律する瞳によって獣など克服して見せよう。

彼等は獣の不死性と膂力や雷光などの特別な力(獣の業)を利用しようとしていた。しかし獣になると意識は失われてしまう、この為に意志を律する思考の瞳を欲したのだ。

巨大なつぎはぎの人(再誕者)を造り上げ、それが赤い月により獣化すると最も恐ろしい獣が再誕する、それは最早獣の範疇を超え上位者に伍する存在となるだろう。

メンシス学派はつぎはぎの医療技術(移植手術=キメラ技術)を既に獲得していた。メンシスの悪夢に在る頭が挿げ変わった蜘蛛人間や犬カラス、カラス犬のキメラはそれの示唆であった。

獣化しその獣化した肉体に自分の頭をくっつければ上位者に伍する存在の完成である。

しかし、再誕の儀式は途中で阻まれその悍ましい肉体だけが顕現した。魂、その精神はメンシスの悪夢に置き去りとなったままだ。ならばこそ今宵の「獣狩りの夜」はメルゴーの乳母というメンシスの造り出した獣を狩り、夜明けを迎える事となる。


●:補説

本編の獣狩りの夜明けは再誕者(肉体)+メルゴーの乳母(再誕者の精神)+ミコラーシュ(操縦士=思考を律する者)を狩り、完遂される。

▲:ミコラーシュ台詞、〔ヤハグル三銃士の持ち物、ヤハグルに散らばるアイテム群、ローランの聖杯の場所(どれも黒獣や獣の研究を示唆するアイテムや武器が散らばっている)〕、獣の抱擁、ゲールマン台詞、メンシスの悪夢の敵(移植技術=キメラ技術の示唆)


★青ざめた血(血の遺志)を求めよ


主人公は地上にあるほぼ全ての青ざめた血を回収してしまった、残るは宙(狩人の夢)で全ての青ざめた血を継承しそして忘却(秘匿)しているゲールマンのみとなった。青ざめた血を有する者はその濃度が濃くなればなるほど真の上位者(三位一体)へと近づいていく。

今ここ狩人の夢に、過去全ての獣狩りの夜明けの度に行われてきた介錯によって継承されてきた青ざめた血と、地上からほぼ全ての青ざめた血を回収(継承)して来た青ざめた血が存在する。それは最早宇宙悪夢的な血の遺志、上位者の死血へと昇華する。上位者の赤子が生誕するのも近い。

ゲールマンの遺志を継ぎ狩人の徴(忘却)によって人で在り(夢に囚われ)続けるのも良いだろう、その先に自分だけの内なる瞳(世界=宇宙)を得るのも良いだろう。人形だけがずっと傍に佇んでいる。


●:補説

宇宙とは仏教で世界を意味する、瞳を得るとは世界を俯瞰する瞳を得ること

三位一体(真の神)とは父であり、赤子であり、聖霊である。

聖霊とはブラッドボーンでは精霊、つまりナメクジ(軟体生物)にあたる

・3本目の3本のへその緒は三位一体のこれらに該当する

子:メルゴー(赤子)と繋がる臍帯

精霊:星の子(精霊=軟体生物)と繋がる偽ヨセフカ、アリアンナの臍帯

父:老いた赤子と繋がる臍帯→ゲールマンが青ざめた月と邂逅したとされる工房に置かれていたもの、青ざめた月と邂逅したタイミングは漁村発見時

・全ての上位者は赤子を失っている、つまり赤子をも内包している上位者の赤子が最も上位の存在となる

・三位一体の象徴「プロビデンスの目」がカレル文字「輝き」で示唆されている

▲:鴉羽の装束、ヤハグルメモ、「継承」、狩人の徴、血の穢れ、死血の雫、上位者の叡智、「獣」




▲終

ここまでお読みいただきありがとうございました。

一応Twitterやってます、こちらはブラッドボーンの妄想を爆撃する為のアカウントになっております。


https://twitter.com/Bloodborne_uu


Bloodborneの考察に真実も答えもあろうはずはなく、故に得体は知れぬものだ。