Bloodborne考察(想見者うー)

Bloodborneの考察(ブラッドボーン/ブラボ)

ブラッドボーンのエンディング後の世界を考察



★はじめに

ブラッドボーンにはエンディングの続きが明確に提示されていてそれに対応するのが聖杯です。大聖杯にはローラン、トゥメル、イズの大聖杯があり、これらはヤーナムの"過去"でありこれから起こる"未来"にもなっています。

※僻墓は祭祀色の薄い辺境の墓地なのでトゥメルの僻墓とします


●エンディングには3種類ありそれぞれ、ローラン、トゥメル、イズの世界へと分岐します。

○夜明けエンド:ローラン

○狩りの意志を継ぐエンド:トゥメル

○幼年期のはじまりエンド:イズ

●ブラッドボーンとは進化の物語であり進化を目指すための思索があります。その思索はウィレームの思索を元にいくつかに分岐します。

●それぞれどういう進化を目指したのか簡単に考察します。

例:高い場所に行くため進化しよう!

○ウィレーム的思索

高い所に行くなら飛行機を作ろう!

○ローラン的思索(ミコラーシュ:メンシス)

高い所に行くなら翼を生やそうではないか!

○イズ的思索(ローレンス:聖歌隊

高い所に行くなら鳥になってしまおう!

○トゥメル的思索(マリア、ゲールマン)

ジャンプすれば届く!


★それぞれが具体的に何をし何を目指したのか?

●メンシス

・黒獣の研究、メンシスは旧市街の惨劇により獣の病の先に進化を見た。獣の力は強く、肉体は不死である。さらに雷光の力など上位的な力が獲得出来る。

しかし、獣化してしまうと理性が働かなくなり獣の力を扱えない。そこでまず獣化した肉体を創りそこに自らの脳を瞳を移植しようとした。そして成功したので儀式を始めた。

『我らに獣を克させたまえ』

・また、上位的な力を得て自分達だけの瞳=悪夢を手に入れようとした(詳しくはメンシスの考察記事で)


○ここからは妄想というか私の解釈です

頭の檻はVR機器の風諭でバーチャル世界が悪夢にあたる。しかし、バーチャル世界ばかりで遊んでいると現実世界の体はミイラ化してしまう。だからメンシスは、不死の黒獣の身体が必要だった。しかもおまけに自家発電機付きである。砂に埋もれたとは(砂というのは骨の成れの果て)全員悪夢(バーチャルゲーム)が楽しすぎて帰って来なかったのではないだろうか?取り残されたのは老人(ゲームはしない人)の黒獣というのも頷ける。


聖歌隊

・ローレンスの実験の正当後継者、ローレンスは上位者の血をひたすらに拝領した。血はその者の性質を取り込むと信じていたからだ。それにより上位者の叡智を得ようとした。

その実験の末、子供達が精霊を媒介に高次元暗黒へと接触し、遥か彼方の星界(宇宙)へ交信を試みたが失敗した。しかしそれは地下から這いずり出てきて、宇宙を見せたのだ。

※彼等は、実際には死体の山から生まれただけの物を宇宙は地下にあると解釈した。

・ローレンスが死に、それを引き継いだ聖歌隊はイズへと向かう。イズは宇宙に触れていて故に上位者(星界の使者)達は超次元的思索(瞳)を得ているのだと。

『恐れを失くせば、誰一人君を嘆く事はない、宇宙は空にある。』

・なお、禁域の森の恐ろしい獣は、偽フカの治験により星界の使者に変態する事から聖血(聖体※4)を拝領する事は同時に獣化を克服する事でもあるのだろう。人間としては生きていけないのだけれど…しかし、皆なってしまえば(恐れを失くせば)誰も嘆く事はないだろう?


○ここからは妄想というか私の解釈です

見捨てられた上位者とはエーブリエタースを示す言であるが、学長ウィレームを倒すとドロップする瞳にもこうある。瞳とは"見捨てられた上位者"の表音である。

この見捨てられたというのは、血を(聖体※4)を受け入れなかった者ではないだろうか?

幼年期のはじまりでは(聖体※4)エーブリエタースの血を使い、皆上位者になろうとするエンディングである。そしてイズの聖杯ではこう読み解く事が出来る。「エーブリエタースを見捨てて皆どこかへ行ってしまった」と

つまり、何が言いたいかといいますとね。見捨てられた上位者とはウィレームの事です。そしてウィレームは一人安楽椅子に揺れ(見捨てられ)思考の瞳により上位者へなります。それがエーブリエタースの様な上位者へと変態するのです。

エーブリエタースは祈っている訳でも見捨てられて哀しく泣いているのでもありません、ただ(我々の思考の次元が低すぎて)絶望しているのです。


★トゥメル

・トゥメル的思索とは狩りに酔った、血に依った者たちである。進化ではなく己を鍛えることこそが進化である。そしてそれは人智を超え、獣までも克服するだろう。しかし、高まった血は虫を暴走させ、また上位者の呪いにより永遠に悪夢に囚われるだろう


★それぞれのエンディングが各聖杯に紐付けされる理由

・それにはまず状況の説明と提示をします

○獣の病の原因はヤーナムの血(聖体※3)が原因です

○その獣を狩る役目を持っているのが月の魔物です

・月の魔物は獣から得られる血の遺志を集め、自家受精しようとしています

○劇中ヤーナムを確定的に殺す事は出来ません

○獣狩りの夜は主人公を最後に起きません。何故かと言うと"狩人"自体が今後居なくなってしまうからです。つまり主人公は"最後の狩人"という事になり、ゲールマンの姿が曖昧になっているのもその要因の1つです


★ヤーナムの夜明けエンド(ローランの悲劇)

・狩人が居なくなると言う事は獣を狩る人が居なくなります。そうなるとヤーナムの全ての人達は獣になるでしょう。生き残るのは獣を克した者達、黒獣です。

黒獣達は皆悪夢(ご都合主義の世界)へと遊びに行ってしまいます。なぜなら黒獣とは不死ですので現実に帰って来なくても無限に悪夢で遊んでいられます。しかし、骨はやがて崩れ落ち、砂になるでしょう、それでも黒獣は死ぬ事が出来ません。悪夢に疲れても、帰るべき体がありませんので永遠に悪夢に囚われ続けることになります。

・砂に埋もれたローランの大聖杯では時々砂嵐から黒獣が纏うとされる雷光が走ります。それは黒獣からの甘美なる誘いの声でしょうか?それとも悪夢に囚われ続けた哀れなる者の悲痛な叫びでしょうか?


★遺志を継ぐ者エンド(トゥメルの悲劇)

・遺志を継ぐと言う事は"狩人"を継ぐと言う事でつまり狩人が残ります。狩人とは獣を狩る人の事です。

ゲールマンはもう曖昧で現実世界に干渉する事が不可能な状態です。ですからゲールマンはずっと、ずっと自分の遺志を継ぐ狩人を待って居たのです。

『ゲールマンの"狩り"とは"葬送"でしかないのです。』

狩りの遺志を継ぐという事はゲールマンを葬送する以外にはあり得ないのです。

・獣の病の原因は無くなって居ませんが主人公が狩人になる事で獣は残っても獣で滅ぶ事は無くなりました。しかし、獣で滅ぶ事は無くなりましたが原因自体が何も変わらないのでずっと同じ事を繰り返します。つまり、トゥメルの時代と何も変わりません。ですから"継承"は"狩人の有り様"なのです。

それが良いか悪いかは人の感じ取り方次第ですが"人のまま"で居られるのはこのエンディングだけになります。


★幼年期のはじまりエンド(イズの悲劇)

○幼年期のはじまりとその終りについて考察する前にいくつかの思い出して頂きたいもの、提示したい事がいくつかあります。

・現在医療教会が所有している(聖体※4)はエーブリエタースの血です。

・やつしの男(獣化した人間)にエーブリエタースの血を輸血するとエーブリエタースの血が勝り、その特性に変態する(星界の使者になる)事です。


○狩人(主人公)が赤い月を吸収して上位者の赤子になり狩人が絶滅します。

○赤い月がなくなる事で獣の病蔓延のスピードは緩やかになります。

○獣にエーブリエタースの血を輸血すれば星界の使者へと変態します。


・狩人が居なくなり、獣の病の進行は緩やかになります。狩人が居なくなった事と、獣の病の進行速度が緩やかになる事によって獣は居るが人も居て、かつ獣を狩る人が居ない状態の無法地帯となってしまいます。

そうなると人はもう何かに縋るしかありません。それが獣化を治す事の出来る新薬(聖体※4)です。これにより、獣が居なくなり襲われなくなると言う事ですね。人間をやめてしまう事になりますが…

・要するにやっている事は旧市街の惨状と何も変わらないんです。何か違うとすれば入れた"血"が違うという事だけです。旧市街のそれでは"獣"になり、エーブリエタースの血では"幼年期(星界の使者)"となるだけなんです。

・全ての人間にエーブリエタースの血が渡り、全ての人間は星界の使者へとなります。ある1人の人間を見捨てて…

その人間は最初から最後まで血に依らなかった人間です。そう、ウィレーム先生です。

ウィレームは、ヤーナムの血すら受け入れなかったのでそもそも獣化しません。エーブリエタースの血も受け入れなかったので星界の使者にもなりません。ウィレームは、ただひたすらに思考の次元を上げる事によってのみ上位者の思考を、瞳を得てしまいました。ウィレームは、思考の次元を上げてしまったが故に上位者へとなります。思考の次元を上げる事は人間の思考では無くなってしまうという事、即ち上位者になってしまうという事だったのですね。アデラインの脳液のテキストを借りれば「(人間を)失ってはじめて気付く(嘆く)滑稽にもそれが啓蒙の本質」だったのです。

ウィレームはやがてエーブリエタース、もとい見捨てられた上位者へとなります。人を見捨てた星界の使者と自分を上位者たらしめる瞳から湧き出る血に酩酊しながら…


※注意

ウィレーム=エーブリエタースではありません、"ウィレームの様な人物"が"エーブリエタースの様な上位者"になるという事です。




▲終

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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Bloodborneの考察に真実も答えもあろうはずはなく、故に得体は知れぬものだ。