マリアとローレンスの考察+歌詞翻訳
★ローレンス戦bgm歌詞(和訳)
()内の言葉は補完です、またアルファベットが振ってある所は後述で補完します。この歌詞は全て自力で翻訳したものとなっておりますので初出です。また歌詞の翻訳についてはブラッドボーンっぽい言葉を選定してかつ文として成立する様に、一部改訂している部分をご留意下さい。
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あなたは子供達に拝領(血の医療)を強制しました(A)
聖血は特別です
特別な聖血は秘匿します
また、私は今後人道主義(博愛主義)を掲げます(B)
聖血によって
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純正の脾臓は冒涜(血の医療)を受けます(C)
人生はそういうものではありません (人の命は冒涜されるべきではありません)
(血の医療を繰り返せば)いずれ獣の病は世界全体に広がるでしょう
ゴースの脾臓を持つ者は実験棟で命の冒涜(血の医療)を受けます(C)
それは(子供達に対する血の医療は)、私を悩ませます(D)
普通の生活は許されなかった(E)
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私は…心火を燃やし…私は…血を燃やした…(F)
血を恐れたまえよ(G)
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さあ、聖餐の準備が出来ましたよ(H)
聖血を…
病めるワインを持ってきました
ああ、毒のジュースを!
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○解説/補完
・読むのがめんどくせえ!って人は最後に簡単にまとめていますので全部飛ばしちゃってOKです
☆A (あなたは子供達に拝領を強制しました)
sacramentum=mysterium 聖奠(せいてん)の事 聖奠には聖餐(せいさん)と洗礼があるが、聖餐と解釈。そしてこの聖餐は拝領の事。拝領とは劇中で血の医療を示す言葉
・聖餐とは最後の晩餐の正式用語みたいなもの
・聖餐と凄惨を掛けているのが分かりますね。宮崎さんらしい
・mysteriumはミステリーではなく語源であるミュステリウム(聖奠)の事、ただでさえ翻訳厳しいのに同じ言葉をわざわざ分かりづらく入れ替えるのは宮崎さんらしいですが直訳絶対許さないマンすぎる
☆B (私は今後血によって人道主義を掲げます)
ブラッドボーンのモチーフとなっているヴィクトリア朝時代は"啓蒙主義(進歩主義)"の思想で現代の道徳的観念(人道主義)とは全く異なり、人道主義(マリアの思想)は劇中の彼等にとってはむしろ異端であり、その様は落葉のテキストに"ただ心が弱き故"と表現されている。
・進歩主義は謂わば、帰結(結果)主義の一種で、進化こそ全てという感じ。簡単に言うと『結果こそ全て!進化出来たらそれでよし!』な考えの人達。まさに医療教会やビルゲンワースの根幹たる思想そのものだ。
☆C (純正の脾臓は冒涜を待つ)
ゴース(純正)の脾臓を持つ者は血の医療(冒涜)を受けます
※ここはぶっちゃけ宮崎さんかなり意地が悪いと思う。訳させる気0、だが訳す。
マイルドに訳すと「純正の血液の網、それは冒涜を待ちます」になり、このままだと意味不明な文になる。
★要するに純正の脾臓と言うのは穢れた血族の事、以下解説
・網とは脾臓の事
・脾臓とは造血機能や血液の貯蔵機能を持つ臓器の一種でマリアが戦闘中に自己強化する際に血刃を刺している器官と推測する
・脾臓は網状の器官(臓器)
・正しい網とは、病巣の臓器(病んだ脾臓)ではないものとする
・病んだ脾臓は上手く血液が造れず、血液の貯蔵も出来なくなる。即ち"血のなき者"になる。これはゴースの呪いを受けている人間の事で、一般人はもれなく全員ゴースに呪われている。(詳しくは別記事で考察しています:全ての血のなき者)
※豆知識
現実の病気に脾臓、肝臓、脳、骨髄に異常をきたすゴーシェ病というものがある。脱線するので詳しくは割愛するが、その症状としてウィレームや星界の使者の特徴と重なる部分が多く、おそらくこれらのモチーフとなった元ネタだろうと推察しておく
・純正の脾臓を持つ者はゴースの脾臓を正しく遺伝した者達であり、特別な血液を持つ者、即ち穢れた血族達の事である。 この事からも実験棟で冒涜を受けている子供達はカインハーストの孤児達であると紐付け出来る(別記事:聖歌隊考察)
・冒涜とは非人道的な実験の事である。(マリア視点である事を留意)上位者視点の冒涜とは少し違う
♦︎まとめ
カインハーストから連れて来られた孤児(実験棟の患者)達は実験棟で命を冒涜した実験(血の医療)を待つことになる
☆D (私は子供達に対する実験で悩まされています)
はい、もうこれ答えですね。これ歌を歌っているのはマリアです 。子供達に対して慈悲の心を向けているのは劇中だと彼女くらいしか思い浮かびませんからね。Hacは女性形でつまり女性が悩んでいる事になる 。ゴースはラテン語表記だと男性形の〜ウスになるから歌っているのはマリアが濃厚
☆E (普通の生活は許されなかった)
直訳すると人生は許されない
・人生は許されなかった→人としての生き方は許されなかった→普通の生活は許されなかった。と曲げて解釈
☆F (私は心火を燃やし、そして血を燃やした)
・私(女)はめっちゃ怒って血を燃やしたって感じ。彼女(マリア)の血は燃えていましたよね。
☆G (血を恐れたまえよ)
直訳:毒が盛られていて恐ろしい事をあなたは知っている。 まじで意味がわかんない文になる
・毒は話の流れ的に血に掛かっていて血に毒が盛られてる事はお前も知ってるじゃん。って言ってます。おそらく、たぶん…?としか言えませんね。なのでここはかなり偏屈な訳をしました。 要するにここはブラッドボーン的に解釈すれば血(毒)を恐れたまえよって事なんじゃないかと
・そして毒を盛ったのはvenenaなので女性が毒を盛っている事が分かります。 日本語で例えるなら
元気ですわ
元気ですよ
みたいに男性か女性かで喋る言葉に変化が付くのと同じです。ラテン語やイタリア語等ではこれが顕著にあります。有名どこだとブラボーやブラーバの違い
☆H (聖餐の準備が出来ましたよ)
聖餐(Festiva)も上と同様に女性形ですのでワインを持ってきたのは女性である事が分かります。というかマリアが死んだふりをしている隣のテーブルの上にはワイングラスが…あっ(啓蒙が上がる音)
★おわり/まとめ
マリアがローレンスの孤児達に対する実験にぶち切れて自らの血に酔い暗殺(獣化させる)するお話です。この歌詞ではその理由と経緯について歌っている事になります。 ローレンスが何故燃えているのか「溶けている」のかが分かりますね。
☆おまけでゲールマン戦BGM歌詞和訳
The first hunter (Lyrics)
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狩人よ
私の高潔なる狩りは 魂を解放する為のものだ
暗澹たる狩りは 何も見えず
忌まわしい狩人の悪夢に永遠に囚われる事になるだろう
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★補完
・漁村の最初の住人のセリフと一致
・ヤマムラの台詞、呪いは軛の部分でもある
・血に酔う(依る)と狩人の悪夢に永遠に囚われるから私の様な狩りをしなさいって事
・この歌詞を1行で訳すと『ゲールマンの狩りを知るがいい』になる。
継承とは狩人の有り様なのだ
カレル文字継承より
★感想
劇中の歌詞は全てラテン語で歌われています。そしてしかもただ訳すだけでは絶対に訳せない文の構成になっています。(それは〜とか、こういう〜、とか曖昧な言い方だったり、主語が抜けていたり)要するに歌詞が一種の「暗号」になっている訳です。ですから宮崎さん(仮)はこの歌詞にも、歌詞ですらしっかりと"考察の余地"を与えているんですね。なので翻訳がけっこー楽しかったです。だから皆さんも是非自分だけの翻訳(考察)をしてみて下さい。本当に翻訳というか暗号を解読している気分になるので(笑)啓蒙高めな人はおすすめですよ!
▲終
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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Bloodborneの考察に真実も答えもあろうはずはなく、故に得体は知れぬものだ。